「イエスタデイをうたって」~陽キャも良いけど陰キャのが良くないですか?~

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藤原 ところで、冬目先生の中では、ハルって根明(ネアカ)なんですか? 根暗(ネクラ)なんですか?

冬目 それはもう、みなさんの捉え方にお任せしたいのですが、たぶん……暗いんじゃないでしょうか(笑)。

藤原 そうですよね。でも、それでも、明るく行ったほうがいいよね、というのを目標にしている子なのかな、と考えました。そういう姿がすごく意地らしい。一方、花澤(香菜)さんの榀子、花江(夏樹)さんの浪の芝居もすさまじいです。

 

この対談、「イエスタデイをうたって」という作品のアニメ監督と原作者のやり取りなのだが、この「根暗」と「根明」という表現はなんだか久々に見て懐かしいいいいい!

となった…。

今のトレンド表現って「陽キャ」と「陰キャ」ですよね?間違えてないですよね?

 

陰キャいんキャ)」とは、陰気性格の人を意味する俗語。「陰気キャラ」「陰気キャラ」を略した若者言葉である。これに対して陽気なキャラの人は「陽キャ」という。

スクールカースト文脈においては実際性格陰気かどうかをさほど重要な条件とせず、スクールカースト下位位置する、いわゆるクラスの「イケてない」人やグループ総称として用いられることも多い。また陰キャは、コミュニケーション能力のない人、社会性の低い人という意味で使われる場合もある。他人見下すニュアンスでも使われる。ここ数年ほどの間に、大学生などの間で多用されるようになった

ひところ流行った「ネクラ」「ネアカ」といった言葉と、ニュアンス的には似ている同様の類語としては「非リア充」「リア充」といったものも挙げられる。陰キャが、キャラ的なものであるに対して非リア充リア充は、実際の生活実態によるところが大きい。陰キャ使用例としては「あの子陰キャだから友達少ない」「研究定評のある大学だから入学してみたら、じつは、陰キャ大学だった」など。

 とりあえず「陰キャ」で調べてトップに出てきたWeblio辞書から引っ張ってきた。

「ニュアンス的には似ている」ん?なんだこの感じ…根暗と陰キャは違うんです?

なんか言葉の定義とか文脈とかとりあえず置いておいて…

陰キャ(根暗)て良くないですか?ということを書きたい。

 

イエスタデイをうたって」は大卒後フリーターをしているリクオ、高校中退してフリーターをしているハル、リクオの大学時代の同級生で教師をしているシナコ、シナコが好きだった幼馴染の弟のロウの4人がメインで構成される恋愛ものである。

この作品一言で表すなら「色々と悩んでしまって関係性を進められない話」という感じになる。まあ一言で表現しちゃうとその程度なのだが、ただ悩み方が良いのである、そう、登場人物「全員陰キャ」感がたまらないのだ。

全員分の陰キャシーンを一つひとつ丁寧に取り上げていきたいが、とりあえず現在トップの陰キャシーンを挙げたい。

 

第9話「クリスマスキャロル」

ハル「リクオがコンビニを辞めてから、私にとってちょうど良かったバイト帰りにちょうど顔を出すっていう口実が無くなった。三つ先の駅にある写真スタジオまで行って、リクオの私生活に足を踏み入れて、もし拒絶されたら…んああああああ!(布団上でゴロゴロして叫び出す)シナコ先生はリクオのことどう思ってるんだろう…あああああ!負けるもんかあああ!」

 

 

最高すぎるだろこの陰キャ感、マジでよ…

 

もうね私は前から思ってたんですね。布団の上でジタバタしたりゴロゴロして叫ぶキャラってのは基本陰キャなんだよなと!

多分、多分なんですが、陽キャはこんなことしないんですね。(私はド陰キャなので陽キャの気持ちは分からないですけど)ハルがリクオのことを素直に好きなら拒絶されてもしゃーねえ!とりあえず自分が好きな気持ちは抑えられねえから、三つ先の駅の写真スタジオにガシガシ通ったる!っていうメンタルになりそうなもんなんですね。

さらにですね、ライバル関係にあるシナコのことまで考え始めてもうドツボにはまっちゃうわけですね。素直に自分の気持ちを通していくことに専念すれば良いはずなんですが、ライバルの心理状況まで考えだしてウジウジしだしてさらに課題が複雑になっていく。うーん見ていて美しさすら感じるやつです。

 

この作品、登場人物「全員陽キャ」だと多分3話とか4話ぐらいで終わりそうな話だ。お互いに悩む心理描写や、繊細な表情や美麗な背景描写に力が注ぎ込まれているため、話を構成できている。陽キャのガシガシと行く感じも凄い好きだが、陰キャのひたすらどうしようどうしよう…と悩んだり苦しむ様こそなんだか人生を感じたりしていた。